2016年4月27日水曜日

災害時、女性的な色を身につけるとレイプ被害に遭うは、レイプ迷信で2次被害を助長!?本当にするべき対策とは

防災グッズの色が女性的だとレイプ被害にあうので、黒っぽい色や深く帽子をかぶって対策をという情報が、ネットで何度もまわってきます。
もちろん、みなさんがどのような色で避難されるかは、自由ですし、被害にあわないよう頑張ることを否定するわけではありません。
そして、情報をシェアされる方も、性犯罪がなくなってほしいという善意であることは承知しています。
ただ、どうしても気になることがあります。
災害時、着のみ着のまま避難することもあります。
パジャマかもしれません。
ベリーダンスの衣装で踊っている最中の避難だったかもしれません。
それで、万が一性犯罪にあったとしても、被害者に落ち度があるからではありません。

神奈川県HP http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/p787148.html より引用
レイプ神話とは


強姦(レイプ)神話

被害にあった女性に非があるように、あるいは、加害者の男性が異常者であるかのように語られたりします。
被害者には何の落ち度もありません
強姦は、女性側の挑発的な服装や行動が誘因となる
実際には、被害女性の多くが特別に挑発的な服装や行動はしていません。それどころか、むしろ加害者は地味な服装の女性を「おとなしそうで、訴えないだろう」と見て、狙うことがあります。仮に、女性の服装が派手だったとしても強姦をしてよいという理由にはなりえないのですが、なかなかその点に気づかない人が多いのです。 」


悪いのは加害者です。どうか、そのことも一緒に広げてほしいと思います。
災害時ではなく、平時の性犯罪でも、国際的に女性の人権が配慮される社会では、圧倒的に悪いのは、加害者であり、被害者がどんな服装でも落ち度はないとします。

それゆえ、上記、神奈川県HPでも、下記広島県警HPでも被害者の服装が誘因となるということを否定しています。

性犯罪に関する迷信の例
広島県警察 HPより引用
http://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/police14/higai-genjyou.html#gokai



性犯罪に関する迷信の例

被害者が加害者を挑発した結果,性犯罪が起きる

 「薄着やミニスカートなどの挑発的な服装を見て,急に性的欲求が高まった男性が性犯罪を起こすのだから,そのような服装をしている女性は被害にあっても仕方がない」と思っている人がいるのではないでしょうか。しかし,性犯罪は一部または全部が計画的に行われていることが多いようです。それには被害者の服装や容姿は関係なく,「だれでも良かった」というケースも多数含まれています。もちろん,パンツスーツや,ジーンズに丈の長いコートを着ていても被害にあうことがあります。

被災地でも平時でも、女性の服装が派手だったから、落ち度があるから被害にあったという噂話は頻繁にでてきます。
しかし、悪いのは加害者です。
どんな格好してても、襲ったら絶対にあかんやろ!!!!!
悪いのは圧倒的に加害者という世論にならないかぎり、被害者は世間の目とあわせ2重の被害を受けます。
被害にあった方は、どんな犯罪被害者でもそうなんですが、まず自分を責めます。
悪いのは加害者だというのに。
だから被害者は被害を隠すことまでします。
加害者が問題だという議論がすすまないかぎり、性犯罪は暗数が多くなります。
そうすると、対策が打てず、性犯罪を減らせません。

ですので、心あるみなさんはとにかく悪いのは加害者だという議論を同時にしっかり広めていただければと願っています。
加害者の言い訳をゆるす社会だと、極端な話、胸が大きいからとか、スリムで魅力的だから襲われたんだとか、授乳してたから落ち度があるとか、そんなことまで、被害者の落ち度として責められる事態を許してしまいます。
DVも、いじめも、被害者の落ち度が重視されていた時には、問題が解決しませんでした。
加害者がいかに相手の人としての尊厳をふみにじるか、それが社会に認識されて初めて、問題が明確になり対策がとられるようになりました。
どうか、だから、被害者の落ち度論や注意喚起情報は、わかりやすいので広がりやすいですが、じぶんが加害を助長しないよう、ちょっと言葉を選んでいただけるといいなと思います。

先に引用した広島県警HPはこのようなことも書いています。

性犯罪の被害にあわれた方,その相談を受けた方へ

 どんな場合でも,被害者は「被害にあっても構わない」と考えて行動していたわけではありません。周囲の方は,絶対に被害者を責めないでください。万が一,あなたが被害にあってしまった時も,自分を責めないようにしてください。
 性犯罪については,性犯罪の被害にあわないために性犯罪の被害にあわれた方へのページにも広島県警察からの詳しい情報を掲載しています。併せてご覧ください。
二次災害については、のちにいくつか引用させていただく
「東日本大震災 災害・復興時における女性と子どもへの暴力」に関する調査報告書 
でもこう書かれています。
注意喚起は必要だが、女性に対して自分の行動への注意を喚起するメッセージは、
被害を受けた際に、女性の行動にも責任があったと被害者を責める傾向ともつながってい る。加害者(および加害をはたらく可能性がある者)に対する警告や介入が必要である(4 -4参照)。また、災害時における子どもへの暴力についても周知する必要がある。 


性に基づく暴力の危険性が存在する現状では、女性への注意喚起は必要かもしれない。 痴漢対策に女性専用車両が必要なように、問題の根本解決に時間を要する場合、過渡的な 対策は必要である。しかし、加害をはたらく者(およびはたらくおそれがある者)への注 意喚起や警告等なくして、性に基づく暴力は防げない。加害者に対して、女性や子どもの 脆弱性につけこまない、女性や子どもを性の対象として客体化しないなど、彼らの意識と 言動を変えることが必要である。女性に「一人で歩かない」、「明るい時間に移動する」な ど、行動を制限するよう促すのではなく、女性が一人でも歩ける、暗い時間にも移動でき る環境・社会を作るために必要な対策が求められる。 

被害者への注意喚起よりも有効な、加害者を許さないメッセージの発信をどうかお願いいたします。また、性犯罪に遭遇しても被害者を責めないようどうかお願いいたします。
 先の広島県HPより
二次的被害の例として,周囲からの言葉や態度,司法機関での対応で配慮が欠けていた場合などが挙げられています。周囲の人にとってはささいな一言であったり,励ましのつもりで言ったことであっても,被害者の心情を理解してなかった場合にはこれが強烈な二次的被害となります。この一言が被害者の回復を遅らせ,ひどいときには一生にわたって被害者を苦しめ続けることにもなりかねません。
 特に性犯罪被害は,ほかの犯罪と異なり,性犯罪に対しては特有の誤解があるため,ほかの犯罪による被害者よりつらい立場に立たされることが多いようです。 

もう一点。
津波避難で荷物をとりに行って命を落とされた方もいました。緊急時はどんな格好でもいいですから、命を守ってください。南海トラフの津波が心配される地域では発災から4分後に津波到着なんていう地域もあります。その際、服装に留意する暇はありません。


さらにもう一点。
災害時も平時も男性も襲われています。「女性だと思われない」格好をしても身を守れる保証はありません。

「東日本大震災 災害・復興時における女性と子どもへの暴力」に関する調査報告書 
3-1 被害・加害の状況
まず、その前に、調査で報告された事例から、被害・加害の状況をまとめてみる。まと めてみると言ったものの、被害・加害の状況は「多様である」のひとことにつきる。被害 者の年齢も加害者の年齢も多様であり、女性・女子とに加え男子も性的暴力の被害を受け ていた。
前述の広島県警HPより引用(平時の性犯罪)


美しく若い女性が性犯罪の被害にあう

 被害者の年齢は幼児から80代まで,広範囲にわたっています。また,被害者の服装や外見,職業もバラバラです。幼児の場合は女児のみではなく,男児が被害にあって警察に届け出られるケースもあります。
 成人男性が性犯罪の被害を受けた場合は,だれかに相談したり警察に届け出ることもためらわれ,女性より深刻な状況に陥っていることも考えられます。

もちろん、念のための犯罪防止のため、急いで避難しなくてもいい場合、目立たない格好に着替えていただくのを否定しません。

ただ、救助されにくくなるリスクはあります。目立つ色は発見しやすい色だからです。

どちらのリスクをとるかは、選択の問題なので、それぞれが状況に応じて判断されればいいかと思っていますが、目立たない格好があえて狙われた事例

(前述 神奈川県HP 「それどころか、むしろ加害者は地味な服装の女性を「おとなしそうで、訴えないだろう」と見て、狙うことがあります。」
 もあることを知った上で選択していただければと思います。

そして、最後に、災害時の性犯罪に興味を持っていただいたなら、加害者を許さないこととと同時に、具体的にとられるべき政策についても知っておいていただきたいです。

女性と男性のトイレを離す
寝る場所は男女別にする
また、男女のカテゴリーに分けられない人でも、あやしまれたり、襲われることなくトイレにいけるようにして、誰でもトイレをつくる
こども&保護者の避難場と他の場所を分ける
難民支援のスフィア基準は、避難所設営に「少女の意見を聞く」という項目があり、おとなが恐怖を感じない場合でも、少女が嫌なことは避けるなどの対策が論じられています。
本当に身を守りたければこれらの議論もぜひ知っておいていただきたいと思っています。


スフィア基準含め、避難所の多様性と健康安全への配慮に関するリンクは減災インフォさんが詳しくまとめてくださってます。下記ページからそれぞれの情報にアクセスできます

http://www.gensaiinfo.com/blog/2016/0420/3086/#i-6

避難所の運営に役立つリンク集

上記「震つな」作成の解説や支援団体からいただいた情報の中から、役立つリンクを転記しました。
避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針
(内閣府(防災担当)/ 2013(平成 25)年 8 月)
市町村に向けた生活確保のための指針だが、支援者も参考にできる
避難所生活を過ごされる方々の健康管理に関するガイドライン
厚生労働省/ 2011(平成 23)年 6 月
東日本大震災の被災者のため、運営者向けにまとめられたガイドライン。食中毒や感染症予防に関する留意事項など。
男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針避難所チェックシート(内閣府(男女共同参画局)/ 2013(平成 25)年 5 月)
女性や子育ての視点から必要な対応についてまとめてある。1ページ仕様で使いやすい。他に備蓄編や仮設住宅編もある。
災害時の被災者支援ツール 〜いのちと健康を守るために (減災と男女共同参画 研修推進センター/2016/4/15)
災害時の要配慮者支援を充実させるための被災に関する聞き取りシートなど。

現場に学ぶ、女性と多様なニーズに配慮した災害支援事例集
(東日本大震災女性支援ネットワーク/ 2012(平成 24)年 5 月)
女性を含む脆弱な人々に配慮した支援の事例集。スフィア基準にもとづいたチェックリストも掲載されている。
【熊本地震】女性に参考になる情報まとめ(日本財団  2016/4/20)
お子さんや、お子さんをもつ方、アレルギー、PTSDなどへの対処の信頼できる機関の情報リンク。支援者だけでなくお子さんを持つ方に役立つ情報も
スフィア・ハンドブック 2011(日本語訳)難民支援協会 HP(スフィア・プロジェクト/ 2011 年版)
人道支援の現場で活動する NGO が最低限守らなければならない指標としてまとめられた国際基準。


たくさん引用させていただいたこちらの資料も、ぜひ直接読んでいただきたい資料です。
実際に災害時どのような暴力や性犯罪が行われているかわかります。
今後の対策のため何をすればよいのかもわかりますが、長い資料なのでダウンロードがおっくうになって見ていただけないのは残念です。

いくつかランダムに引用します。関心を持たれた方は、原文をお読みいただき、対策に役立てていただきたいです。

「東日本大震災 災害・復興時における女性と子どもへの暴力」に関する調査報告書 


2) 子どもへの暴力本調査に、子どもへの暴力として報告された事例は 11 件だった。今後の暴力防止や事後 の対応の参考になると考え、被害を受けた子どものプライバシーに配慮して、可能な範囲 で検討していく。
報告された子どもに対する暴力の内容は、調査票への回答から、身体接触があるわいせ つ行為(痴漢行為、望まない性行為の強要)5件、精神的・心理的暴力4件、言葉による 暴力3件、身体的暴力2件、その他の望まない性的な行為(のぞき、性器露出、ストーカ ー行為など)4件であった。成人への暴力と同様、異なる暴力が重複してふるわれる場合 があった。
具体的には、避難所において男性が見知らぬ子ども(女子)に抱きついた、触れた、キ スしたといった事例、避難所の住民が少年の下着を脱がした事例などが報告されている。 避難所の住民が加害をはたらいた場合や加害者が不明の場合もあった。少女が、避難先の 親戚から身体接触のあるわいせつ行為を受けた事例も報告された。



  1. 次は、避難所での身体接触をともなうわいせつな行為に対して、(外部から)避難所を 訪れた支援者が声をあげ、避難所として対応した事例である。避難所にいる男性が若い女性の隣に寝に来て、胸に触れた。それが何回もあった。別 の女性も同じような被害を受けたために避難所を出て行った。[これを知った回答者 が]避難所の管理責任者に相談した。その管理責任者は避難所にいる人全体に「そう いうこともあるようなので、気をつけてください」と伝えた。それによって、被害者 の母親が加害者の男性に、それはセクハラで悪いことだと、言った。その後、男性は その行為を止めた。
    避難所の責任者による注意喚起がなされたことによって、被害者の母親が思い切って加 害者の男性に抗議して、加害が止んだ。回答者(支援者の女性)は、「解決ができてよかっ た。避難所は異常な場所(通常とは異なる)いろんなことが起こることを知ってもらいた い。そのときに、黙って泣き寝入りしないで公にする、相談することが大事」と記入して いた。
    次は、男子が避難所で受けたわいせつ行為への対処についての報告である。
    避難所にいる男子が同じ避難所にいる男性にわいせつな行為をされた。他の男子数名 も被害にあったということである。家族が、避難所の宿直だった役場職員の男性に相 談し、その職員がすぐに保健所に連絡し、保健師がすぐに来て警察に連絡して、児童 相談所にもつながった。加害者と知り合いだったために被害届は出さなかった。その 後、学校には保護者が送り迎えをすることにした。避難所で相談して、加害者には避 難所から出てもらうことに決まったが、その前に加害者は避難所を出た。
    この事例では支援にあたった人たちは、暴力の重大性を認識して迅速に対応し、異なる 職種や役割・立場の人が連携して、問題の解決にあたった。被害を受けた男子の保護者は、 その対応がよかったと述べていた。 


    加害者の多くは、被害者の顔見知りであった。夫・交際相手による暴力の事例が全 体の半数以上を占めていたので、顔見知りの者による加害が多いのは驚くにあたらないが、
    夫・交際相手以外の顔見知りの者による加害が多かった。避難所の住人や仮設住宅の隣人 などに加え、避難所のリーダー、救援・援助や復興に携わる者(NGOスタッフやボラン ティアなど)による加害も報告された。これらの結果は、海外の先行調査の結果と一致し ている(APWLD, 2005a, 2005b; Felten-Biermann, 2006; Fisher, 2010; Oxfam International, 2005)。加害者の言動も多様である。食料や生活必需品などの物資とひきかえに性的な関係 を強要するなど、あからさまに社会的な力関係の差を利用、悪用したり、親切な支援者と いう役を隠れ蓑に、搾取をはたらく者もいた。
    このような加害・被害の様相は、災害時に特有なのではなく、平常時からの性に基づく 暴力と共通している。 


    4 震災時には、拒絶すること・被害を訴えることによる危険が増大する
    ある事例では、夫を震災で亡くし、娘と避難所に身を寄せた女性が、避難所のリーダー から性行為を強要された際、「いやなら、ここにいられなくなる」と、まだ遺体がそのまま になっている屋外に放り出されるか、若い娘に被害が及ぶ状況だったので、やむを得ず応 じるしかなかったと報告されている。また、避難所のリーダー格の男性を含め複数の男性 から暴行を受けた女性は、「騒いで殺されても海に流され津波のせいにされる恐怖があり、その後も誰にも言えなかった」という。加害をはたらく男性は、脆弱性が高い標的を選び、 女性が拒絶できないような状況をつくり、被害を訴えられないようにもくろむ。このよう な言動は平常時にもみられ、その手口は、ことば巧みに被害者の警戒心を解いたり、さも 被害者も同意したかのように思わせたり、あるいは、武器や言葉によって恐怖心を植えつ けたりなど様々である。未曾有の死者、行方不明者を出した今回の大災害がもたらした影 響のひとつは、加害者が武器や言葉による脅しによって恐怖心を植えつけなくても、死と となりあわせの状況にあった被害者の恐怖心は計り知れなく大きい。抵抗したり拒絶した ら自分や家族の身が危ない、被害を訴えたことが加害者に知れたら報復として避難所から 追い出されるのでは、などという極限状況下の恐怖心を利用した加害である。警察、裁判 所、カウンセラーなど実務者は、災害時には、拒絶する・被害を訴えることが、(加害者か らの反撃や脅迫や威嚇がなかったとしても)即、生存に直結する状況が生じるという被害 者の恐怖を認識した上で対応する必要がある。

    本調査では、着替えをのぞかれた、授乳しているところをじっと見られたなどの被害が 報告された。ある避難所で、授乳を凝視された女性が警察に連絡し、巡回の回数が増やさ れ、その後、授乳スペースが設けられたという。被害が発生し、被害を訴えてはじめて対 応策が講じられている。女性が避難所の運営や震災への対応・復興に関する意思決定の場 に参画していれば、被害が起きる前に必要な対策がとられていた可能性があろう。という のも、震災以前から男女共同参画に必要性が認識され女性の参画がすすんでいた地域では、 災害後に女性が意思決定の場に比較的スムーズに参画したことが、いくつかの調査やレポ ートで報告されている(女性と健康ネットワーク, 2013; 東日本大震災女性支援ネットワ ーク調査チーム, 2012; みやぎの女性支援を記録する会, 2012)。 

    2次被害のおそれもあるため、タイトルは、過激になっていますが、決して、発信された方やシェアされた方を責めるわけではありません。

    これを機に、より多くの方と重要な問題を共有できれば、災害時の性犯罪、そして平時の性犯罪も減らせます。

    一緒に考える契機になれば幸いです。









1 件のコメント:

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